働く女性のなかで、
「転職願望はあるけど、次の職場が見つかるか不安」
「転職できたとしても、今より条件が良くなるとは限らない」
先の保証がない現実から、なかなか行動に移せないという人は多いと思います。
本記事では「女性の転職の実情」と「転職を成功させるために必要なポイント」を解説。
これからの働き方の参考にしてみてください!
女性の転職の概要
日本の雇用慣行の特徴として挙げられるのは、「終身雇用」「年功序列」「企業別産業組合」です。
同じ企業で定年まで働き続け、在籍期間が上がるほど賃金が上がります。
ひとつの企業内で経営側と労働組合が要望を出し、トラブルを解決します。
日本では同じ企業で働き続けることを前提とした、転職しづらいシステムが出来上がっているのです。
しかし、時代の流れや自分らしい働き方を求めて、現在では転職がポピュラーなものになってきました。
周りにも転職している人が増えている、ということもあるのではないでしょうか。
転職経験のある割合は2人に1人。
男女別に見ると女性はさらに高く、6割を超えています。
女性は何歳で転職している?
女性は何歳で転職している人が多いでしょうか。
人生のライフイベントが転職に大きな影響を与えています。
厚生労働省の令和2年雇用動向調査の概要によると、2020年の1年間でパートタイム労働者を除いた女性の年齢階級別転職入職率は19歳以下が18.7%と最も多く、次いで20〜24歳が13.0%、25〜30歳が12.4%となっています。
コロナ禍以前でも年齢層による変化は同じような曲線をたどっており、20代までに転職を経験している割合が多くなっています。
30代以降はどうでしょうか。
30〜34歳が7.9%、35〜39歳が8.5%、40〜44歳が7.6%、45〜49歳が7.3%、50〜54歳が7.2%という結果です。
結婚・出産経験後の女性は、正社員からパートタイムへ雇用形態を変えて働く人が増え、家庭生活とのバランスを取ります。
30代以降の数値が20代と比べて下がるのはこのような事情が出てくるものであり、正社員雇用を望んでいる女性が30代以降の転職は出来ない、難しいと決めつける必要はないでしょう。
実際に、近年女性の転職者が目立ってきており、年齢層も幅広く、30〜40代での転職も珍しくありません。
また、既婚者や子育てをしている女性も転職活動をして正社員になることは可能です。
求職者と企業側の条件が合致すれば問題はないでしょう。
参考:厚生労働省「令和2年雇用動向調査結果の概況」
女性が転職する理由
女性はどんな理由で転職するのでしょうか。
転職入職者が前職を辞めた理由は、一番多いのは「その他の理由(出向等を含む)」。
そして「職場の人間関係が望ましくなかった」「定年・契約の満了」「労働時間・休日等の労働条件が悪かった」といった理由が続きます。
一日の大部分を共に過ごす同僚との関係性を女性は大きく重要視しています。
友人と仕事の話をすると、他人への悪口や、職場の愚痴…といった内容になることもよくあります。
また、残業が多い企業や、接客サービス業などの拘束時間が長くなりやすい職種などは転職を考える要因になっています。
女性は、給料・収入面での転職理由は上位になりません。
そこそこに自分が納得する給与が支払われていれば良く、周りと円滑なコミュニケーションを図りながら、自分の時間もしっかり持てる企業で働きたいと望んでいるようです。
しかしながら、社会人経験のある30代以降の女性に関しては、少し内容が変わってきます。
ある程度仕事ができるようになってきたら、相応の対価や役職が欲しいと望むようになります。
新たなプロジェクトに参加したり新しい内容の業務をやってみたいというやりがいを求めていきます。
また、現在の職種以外に興味のある分野を仕事にしていきたいと職種内容をシフトしている人もいます。
結論は人それぞれではありますが、大切なのは「自分の望む理由に沿わなくなってきたら転職を考える」ということです。
転職を成功させるために考えるポイントこと
転職をしたいと思ったらどのように考えて行動していけばよいでしょうか。
転職を成功させるポイントを押さえて、上手に転職活動と向かい合いましょう。
なぜ、転職したいのか理由をはっきりさせる
自分が何をしたいのか、どのように働きたいのかを考えましょう。
具体的であればあるほど自分が求める企業が絞り込まれ、明確になっていきます。
一番注意したいのが、「嫌だから」を理由にしてしまうことです。
うまく転職できたとしても、そこでまた嫌なことがあれば同じように辞めてしまうかもしれません。嫌だから職を変えるというループが出来上がってしまい、自分から逃げているようなものです。
嫌だという理由が転職を考えるきっかけになるのは構いません。
現職のここが嫌だ
→なぜ嫌なのか
→自分はその嫌なことに対して改善のための行動をしてみたか
→行動したことで変化はあったか
ここまでの行動を取って、しっかり考えてみましょう。
たとえ小さかったとしても、自分はどうしたいのか、何がやりたいのか理由が見つかります。
自分の強みを知る
自分の強みを知りましょう。
今までの経験で何が得意であるのか、転職活動で売りにできるアピールポイントを言葉にできるようにしておきます。
具体的に思い浮かばないときは今までの業務内容を紙に書いてみるのがおすすめです。
そこで得たもの、どんな実績が残せたのか振り返ってみましょう。
例えば営業職なら、何件契約を取ったとか、成約率がどれくらいだったなどと数値化してみるのも良いでしょう。転職活動の際にそのままアピールポイントとして使えます。
また、客観的な目線でアドバイスをもらうと自分では気づかなかった新たな強みを発見できることがあります。
自分を知る人と知らない人の両面から意見を聞いてみましょう。
自分を知っている人は家族や友人、同僚など、知らない人はキャリアコンサルタントなどに依頼してみるのも良いでしょう。
譲れない条件を決めておく
ここは唯一自分のわがままを通す項目です。
給与、休日、業務内容など、勤務条件で絶対に譲れないものを決めましょう。
ただし、ありすぎるのはNGです。
どこにも転職できなくなってしまいます。
「絶対譲れない」「まあまあ譲れない」「できたら避けたい」と三段階ぐらいの重要度を設定してみましょう。
転職先の条件ががなかなか見つからなかったら、重要度の低い条件を外して範囲を広げていきましょう。
ある程度の妥協は必要になってきます。
余計なプライドは捨てる
今の会社で実績を出し活躍している人、長期の経験がある人などはプライドも形成されています。
しかしお高く留まっていては結果不利になることを知っておいてください。
経験を買ってもらっても、プライドの高さから企業側に使いづらいと感じられてしまえば採用されにくくなります。
周囲と同調できるコミュニケーション能力は大切です。
転職が実現したら、その職場ではあなたは新人です。それを忘れないようにしましょう。
早く行動する
くすぶって行動に移せないといつまでたっても重い腰を上げることができず、どんどん年を重ねていくだけです。
企業は基本的に若い人材を求めます。
早く仕事を覚えてもらい、できるだけ長く在籍して活躍してほしいと考えているからです。
今が自分の人生の中で一番若いです。もう年だからと考え込むのはやめましょう。
具体的にいつまでに転職を成功させるのかスケジュールを組んでみると良いです。
最終的なゴールの時期を決め、逆算して行動計画を立てましょう。
人間関係を理由にする転職はちょっと待って
女性の転職理由1位の「人間関係が望ましくなかった」は大変難しい問題です。
なぜなら人間関係なんて、転職してみないとわからないからです。
人間関係に悩んでいる人は、まずは周りの人や上司、人事担当者に相談しましょう。
何らかの対処をしてもらえたり、ある程度の規模の企業であれば異動ができる可能性もあります。
前述した通り、日本の企業は「終身雇用=長く働いてもらいたい」と考えています。
あなたがまだ声にしていないのであれば、一度相談してみましょう。
それからでも遅くはありません。
まとめ
転職活動は気力・体力ともにパワーが必要です。
それでも転職活動をしたその先に自分が自分らしく働ける未来が待っているとしたら、今よりもっと人生が豊かで楽しいものになります。
やらないよりやってみる、新たな一歩を踏み出してみましょう!